ぐりんぐりん / 伊東 豊雄

- Island City Center Park“GRINGRIN”

内と外、人工物と自然、
捻じれることで二つの境界を曖昧にする建築。

平坦な埋め立て地に、建築によって起伏に富んだ丘を出現させるという伊東豊雄による試み。建物の上に植栽が施され、年月とともに、人工的なものが植物によって飲み込まれる、成長する建築物だ。
中村拓志「1年半ほど前に『ぐりんぐりん』を見にきたことがあったのですが、その時よりさらに緑に覆われる部分が増えています。伊東さんが最近取り組んでいる三次元曲線の手法を生かし、地面だった部分がいつのまにか屋根になるという、ランドスケープと建築の融合をテーマにした建物です。コンピューターで構造を解析し、コンクリートを流す型枠の図面を効率よく作れるようになったことからの建築様式ですが、最先端の手法が自然との融合を計る建物として作られている点が興味深いですね。
人工池でカモがヒナを育てたり、鳥によって運ばれた種子が『ぐりんぐりん』の屋上で芽吹いたり、そんな季節や月日の移り変わりを散策することで楽しめます。建物の中を歩いているつもりが、いつのまにか外に出ていて、気がつくとまた内部に戻っている。人が歩く経路が主役の建物と言えます」

上・螺旋を描きながら、また内外を反転させながら丘の風景を作っている『ぐりんぐりん』。手前の修景池は、雨水を利用して造った人工的な池。多くの水鳥が羽を休めている。

下左・ゆるやかな曲線を描くきねじれによって、地面から立ち上がる部分に影が生まれる。

下右・屋上をゆっくりと散策できるデッキは、有料施設から入ることができる。

建物解説

ぐりんぐりん

2005年竣工。博多湾内の人工島、アイランドシティ中央公園内の、緑の体験学習施設。温室内では蝶が飼育されている。干拓地という平地に、人工的な丘となるよう設計された。継ぎ目のない1枚のコンクリート面が、螺旋を描きながら丘を形成している。その複雑な構造を実現するため、三次元CAD、最適化手法による構造解析、数万枚に及ぶ施工図などが準備された。そしてその丘は、月日とともに植物に覆われ、より自然の丘に近づいていく。

ぐりんぐりん
アイランドシティ中央公園体験学習施設

福岡市東区香椎照葉4丁目

tel 092-661-5980

有料施設から屋上に上がることが可能。
大人100円。開館9:00〜17:00、休館火曜及び年末年始。

ic-park.jp/sisetsu


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